【まとめ】矢川駅前の桜の倒木を受けた市の対応について

お知らせ

本年4月に矢川駅北口ロータリーにて発生した桜の倒木の件では、市民の皆様に多大なるご心配をおかけしました。

これまで、市内の樹木につきましては、安全の確保に努めつつ、できる限り保全し、緑を守ってきました。しかしながら、これらの樹木は老朽化が進んでいるほか、酷暑や少雨によって樹木の生育環境も悪化しています。

近年の気候変動の影響による全国的な異常気象の激甚化により、強風による樹木の倒木や落枝の危険性が高まっている状況を踏まえると、安全確保の重要性が増しています。

このような状況を踏まえ、市としましては、市民の皆様の安全確保を最優先に、市内の樹木の保全・更新にしっかりと取り組んでまいります。

具体的には、既に、国土交通省のガイドライン等に基づき、市が管理する樹木全般について、職員による目視点検を実施したほか、これまでの樹木診断の結果により、矢川通り及び大学通り緑地帯の桜の一部については伐採することといたしました。今回伐採しました樹木の更新につきましては、今後検討してまいります。

詳細は、各ページをご覧ください。

 

 

よくあるご質問

伐採対応に関する疑問

1. なぜ花や葉があるのに植え替え(伐採)が必要なのか

外見上は青々とした葉が茂り、花が咲いていても、幹の内部の腐食(空洞化)や根の衰退が深刻に進んでいるケースがあるためです。このように腐朽した樹木は、強風などにより倒木するおそれがあり、歩行者や車両への重大な事故を防ぐため、やむを得ず植替え(撤去)しなければならない場合があります。

2. 伐採、剪定を決める根拠・基準は

街路樹については、都の「街路樹診断等マニュアル」に基づき、外観診断および機器診断(腐朽空洞率)の結果を踏まえて樹木の健全度を判定しています。
緑地帯の樹木については、それに加えて個々の樹木の立地環境や周辺交通状況等を考慮して、安全確保のためには伐採が必要かどうかを判断します。

3.  C判定、B2判定の樹がどのような状態にあるか

C判定、B2判定の樹は、枝葉の様子からは元気そうに見えても、幹や根株を専用の機器で測定すると、内部が大きな空洞になっています。このような状態になっていると、植栽基盤や根系の状態などによっては、強い突風や大雨-に耐えられず倒れてしまう可能性があります。
令和8年4月に矢川駅北口駅前広場で倒木した桜はB2判定でした。B2判定であっても、樹木の状態や天候によっては倒木する場合があります。(都の「街路樹診断等マニュアル」では、「B2判定」の樹木について、「必要に応じて植替え(撤去)も検討する」とされています。)
大学通り、矢川通りで伐採した樹木はいずれも腐朽空洞率50%以上のC判定もしくは立枯れとなっているものでした。

4.  伐採する樹と、剪定する樹の違いは

街路樹に関しては、街路樹診断により総合判定でC判定と診断された樹木(矢川通りはそのうち腐朽空洞率が50%以上のもの)を植替え(撤去)対象としています。また、B2判定と診断された樹木については、できる限り維持保全をしますが、個々の樹木の立地環境や周辺交通状況等を考慮して、安全確保のためにやむを得ない場合には植替え(撤去)を検討することになります。その他の樹木については、基本的に全てについて維持管理を目的とした剪定を実施します。
緑地帯の樹木に関しては、外観診断で不良と評価され、かつ、機器診断結果で腐朽空洞率が50%以上(C判定)の樹木で、対象樹木の植樹位置や樹勢その他の要因を加味し、樹勢回復が見込めず倒木のリスクが高い、市民の安全を守るためにやむを得ない樹木について植替え(撤去)の対象としています。その他の樹木で根の張り具合に対して樹冠が大きい樹木については、風圧等による倒木の危険性を回避するため、樹冠の縮小または枝抜き剪定を実施します。これ以外の樹木については、基本的に全てについて維持管理を目的とした剪定を実施します。

5. 桜の健全性の基準について(C判定の意味)

都の「街路樹診断等マニュアル」に基づき、樹木医による外観診断および機器診断の結果を踏まえて、主に以下の四段階で総合判定がされます。Aが安全性が高く、B1、B2、Cの順に危険性が高くなります。

  • A:健全か健全に近い
  • B1:注意すべき被害が見られる
  • B2:著しい被害が見られる
  • C:不健全
    上記マニュアルでは、総合判定Cの樹木については、植替え(撤去)が必要であるとされています。

(注)東京都の「街路樹診断マニュアル」

根株診断

5. 樹木の切り株を見ると、空洞が診断結果ほど大きくないように見える

腐朽が根株に広がっていると考えられる場合は、根株に向かってドリル針を刺す必要があります。近年市において実施している機器診断はいずれも根株に向かって診断した内容となります。
腐朽空洞率が50%以上であることを確認した測定位置は、地上約10センチメートルから斜めに根株方向に貫入して測定しています(根株診断)。このため、水平な切断面と、診断時に腐朽空洞率を測定した位置は異なります。

6. 市の基準は、東京都の基準と比べてどうか

街路樹については都のガイドラインに、大学通りの緑地帯内の樹木については、これに加えて「緑地帯」という生育環境の性質を踏まえ、国の「都市公園の樹木の点検・診断に関する指針」の内容にも準拠しています。
その上で、国立市は、桜の歴史的価値、市民が大切にしてきた桜のある景観を守るという観点から、できる限り樹木を維持保全する方向で、よりきめ細かく、樹木の保全可能性について検討しています。

7. 伐採以外の措置で樹を残すことは難しいか(支柱、添え木、ワイヤー等)

支柱や添え木等による補強の可否については、個々の樹木の形状や、植樹されている現地の状況等によります。
現状、こうした補強の対応を必要としている樹木の大半については、街路樹などで周りに限られたスペースしかない環境にあり、こうした補強を行うことが物理的に困難な状況にあります。十分なスペースがある樹木については、支柱や添え木等による補強も対応策の選択肢に入れて、周辺歩行者や車道の安全性の観点から、最も効果的で確実な倒木対策となる樹木保護を検討しています。

8. 養生したり栄養を増やして回復させることは難しいか

樹木の状態によっては樹勢回復に一定の効果はありますが、すでに樹勢に深刻な不良があり回復を望むことが難しい樹木等には、栄養を与えても元の幹の強度には戻らないと考えられます。
仮に回復を試みたとして、数年以上の歳月、その間の倒木リスクを許容することとなります。

今夏の対応について

9. たった1本の倒木で、なぜ他の桜について植え替えなければならないのか

これまでも市内の桜は、市の大切な財産としてできる限り保全してきました。しかし、先の倒木事故を受け、これまでの管理基準では同様の事故が起こる可能性が生じました。これを踏まえ、改めて市内の樹木を確認したところ、より腐朽が進んだ街路樹や、倒木リスクが高い樹木が確認されたため、やむを得ず伐採や植え替えを行うこととなりました。

時期について

10. 今すぐ伐採が必要なのか

先の回答に基づき植替え(撤去)を行った樹木については、言い換えれば「いつ倒れてもおかしくない状態」にあったと言えます。天候が穏やかな日でも、自重に耐えかねて、折れたり根が抜けたりするなどして突然倒れることも想定されます。
特に矢川通りについては、同一路線上で同時期に植えられた街路樹の倒木が発生した状況を踏まえ、できる限り早い対応が必要です。

11. なぜ台風シーズン前の対応にこだわるのか

単純に雨風が強いと倒木や落枝のリスクが高まることから、それが頻発する時期までに安全対策を実施することを目標としています。今年もすでに、8月の台風15号が関東に上陸し、宇都宮市で大木が倒木し道路を塞ぐなど、全国的に台風での倒木事故が相次いでおります。国立市でも過去に台風により市内の桜を含む街路樹及び緑地帯の樹木が複数倒木した事例があります。この度の植替え(撤去)対応につきましても同様の事象の再発を防止するために台風シーズン前の実施を目指し実施したところとなります。なお、都のマニュアルにおきましてもR8.3.19付の通知にて、「C判定樹木は倒木や幹折れ等の危険があるため、原則として、受託者より報告を受けた後速やかに処置を開始し、台風が多く上陸する7月末までの完了を目指す。」との補足が為されています。

景観保全の考え方

12. 伐採したあとはどうなるのか、桜の景観を残してほしい

倒木の危険性がある場合や、道路工事等により、やむを得ず樹木を更新する必要がある場合には、同時に、次世代へ桜の景観をつなぐための植替えを進めていくこととしています。具体的に植替え作業を進めるにあたっては、市民、特に国立市で育つ子どもたちの意見を聞きながら、桜の景観を守っていきたいと考えています。
また、街路樹や緑地帯当における桜について、将来にわたって国立市にあり続けるためのビジョンを策定することを予定しています。策定にあたっては、市民の皆さんとの対話を市ながら、計画的な更新の在り方や、市民協働による保全の在り方について検討をしていきたいと考えています。

13. 各エリアの桜はどうなるか

市内の桜の風景、樹木や緑は、市民と共有する大切な財産であり、可能な限り保全していきます。一方で、安全確保を第一に、桜のある景観と緑豊かな都市環境を将来にわたって継承するため、倒木リスクの高い樹木については植替え(撤去)を行い、次世代に桜の景観を引き継いでいきたいと考えています。
各エリアにより生育環境等の条件が異なるため、それぞれでの対応が求められますが、また、いずれのエリアにおいても上記ビジョンに基づいて方向性を整理することができるものとなるよう、ビジョンの内容について検討できればと考えています。

経緯

14. これまでの経緯について、どのように議論、情報公開してきたか

令和8年4月の矢川駅北口駅前広場での倒木発生後、直ちに現地に倒木について説明する簡易掲示板を設置し、その後大型掲示板の設置等を行ってきました。現地掲示以外にも、市の広報紙等を通じて経緯等について公開しています。同年7月9日には桜の更新のあり方に関する市民説明会を開催しました。また、これまでに植替え(撤去)作業を行った桜等に関する情報についても逐次市公式ホームページに掲載しています。今後は、桜の景観を将来にわたって継承していくと共に、安全を第一に対応する必要があることについて、現地や市公式ホームページにて周知するとともに、市民やこれまで市内の樹木に関わってきた子どもたちと共に、上記ビジョンの検討や、具体的に植え替える桜の樹種を決めていくなど、市民と行政が一体となって、桜の景観を未来にどのようにつないでいくかを考えていきます。

7/9の説明会を踏まえて

15. 国立駅南口広場整備について、設計方針を変更すべきではないか

基本方針で定めた「設計方針」にも、「更新」の必要性を記載しており、必ずしも齟齬があるものではない。更新の必要性を判断するための診断や、保全のための措置がとれるかの確認をしっかり行って、更新すべき樹を判断していきたい。
「既存のサクラをできる限り長生きさせつつ、将来的なサクラの更新も考慮したデザイン」という基本方針は維持し、安全確保の観点から個々の樹木の状態を点検確認した上で、国立駅南口駅前広場を市民の皆様が安全に利用できるよう必要な植替え(撤去)を行っていきます。

16. 矢川駅北口の一本の倒木を契機に、国立駅南口整備の検討にも影響が出ることに違和感があるが、なぜ国立駅南口広場整備についても従来の方針を見直す必要があるのか

国立駅南口駅前広場は多くの歩行者、公共交通、一般車両が行き交う場所であり、利用者の皆様の安全を確保する必要があります。矢川駅北口駅前広場で倒木した桜は、街路樹診断におけるB2判定(著しい被害が見られる)でしたが、国立駅南口駅前広場では、現在17本ある桜のうち16本がB2判定であり、個々の樹木の状態を改めて点検確認し、保存するか植替え(撤去)が必要であるかを判断し、駅前広場の安全性を確保しつつ、桜の景観を将来に引き継いでいく考えです。

17. 一人の専門家の意見だけでなく、複数の専門家の意見を聞いてほしい

樹木の診断にあたり、樹木医の属する協会に委託し、個別の樹木の診断をしていただいているところです。その診断については科学的なデータに基づくところとなります。
複数の樹木医に個別の樹木の意見を求めることは、多様な知見を得ることができる一方、判断までのプロセスの長期化を招き、その間に倒木等のリスクを高めてしまうおそれもあります。
今後においては、将来にかけて安全性を担保しながら緑・桜を大切にする街のあり方を考えるにあたって、客観的な基準となる考え方を整理していく上で、多様な意見を取り入れていくことについて検討をしていきます。

18. 国立駅南口広場整備について、6/28の説明会、7/5の市報、7/9の説明会で、文言が変遷している理由は

これまでの市民の皆様のご意見を受け、改めて街路樹診断を行い植替え対象樹木を検討を行うこととしたため文言が変遷しております。