親権・養育費・親子交流などに関する民法改正のポイント

更新日:2026年01月20日

こども家庭庁では、令和8年4月1日の改正民法施行に伴い、以下のようにポイントをまとめております(本ページは、こども家庭庁作成のリーフレット「ひとり親家庭のみらい応援ガイド」他からの引用をもとに作成しています。)。

親の責務に関するルールの明確化

こどもの未来を担う親としての責任

親権や婚姻関係があるかどうかに関わらず、こどもを育てる責任と義務についてのルールが明確にされました。

こどもの人格の尊重

こどもが心も体も元気でいられるように育てる責任があります。こどもの利益のため、意見をよく聞き、人格を尊重しなければなりません。

こどもの扶養

父母には、親権や婚姻関係の有無に関係なく、こどもを「養う」責任があります。養う度合いは、こどもが同じくらいの生活を送れる水準でなければなりません。

父母間の人格尊重・協力義務

こどものためにお互いを尊重して協力し合うことが大切です。下記のようなことは、このルールに違反する場合があります(注1)。

  • 暴力や相手を怖がらせるような言動、濫訴
  • 他方の親によるこどもの世話を不当にじゃますること
  • 特段の理由なく他方に無断でこどもの住む場所を変えること(注2)
  • 特段の理由なく約束した親子の交流の実施を拒むこと

(注1)  違反した場合、親権者の指定又は変更の審判、親権喪失又は親権停止の審判等において、その違反の内容が考慮される可能性があります。

(注2)  暴力等や虐待から逃れることはルールに違反しません。

すべてはこどもの利益のために

親権者はこどもの世話やお金や物の管理などについて、こどもの利益のために責任を果たさなければなりません。

離婚後の親権に関するルールの見直し

新たな選択肢が広がります

1人だけが親権を持つ【単独親権】のほかに、離婚後に父母2人ともが親権を持つ【共同親権】の選択ができるようになります。

父母2人ともが親権を持つ【共同親権】の場合

日常のことは、一方の親で決められる

食事や着る服を決めること、短い旅行、予防接種や習い事などは、父母のどちらかで決めることができます。

 

大切なことは父母2人で話し合う

こどもの住む場所を変えることや将来の進学先を決めること、心と体の健康に大きな影響を与える治療やこどものお金の管理などについては父母が話しあって決められます。なお、父母の意見が対立するときには、家庭裁判所で、父母のどちらかが1人でその事項を決められるようにする裁判を受けることもできます。

一方の親が決められる緊急のケース

暴力等や虐待から逃れるために引っ越すこと、病気やけがで緊急の治療が必要な場合などは、父母のどちらも1人で決めることができます。

養育費の支払い確保に向けた変更点

こどもの生活を守るために

養育費を確実に、しっかりと受け取れるように新たなルールの創設やルールの見直しが行われました。

取り決めの実効性アップ

文書で養育費の取り決めをしていれば、支払いが滞った場合にその文書をもって一方の親の財産を差し押さえるための申立てができるようになります。

(注3) 施行後に発生するものが対象です。

法定養育費とは

離婚時に養育費の取り決めがなくても、取り決めるまでの間、こどもと暮らす親が他方の親へ、こども一人あたり月額2万円の養育費を請求できる制度です。離婚後もこどもの生活が守られるよう設けられました。養育費が決まるまでの暫定的、補充的なものです。

(注4)法定養育費は父母間で取り決めるべき養育費の標準額や下限額を定める趣旨のものではありません。

(注5)施行後に離婚した場合が対象です。

裁判手続きがスムーズに

家庭裁判所は養育費に関する裁判手続きをスムーズに進めるために収入情報の開示を命じることができることとしています。また、養育費を請求する民事執行の手続きでは、地方裁判所に対する1回の申立てで財産の開示、給与情報の提供、判明した給与の差し押さえに関する手続きを行うことができるようになります。

安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し

こどものことを最優先に行われます

親子交流や父母以外の親族との交流に関するルールが見直されました。

親子交流の試行的実施

家庭裁判所の手続き中に親子交流を試行的に行うことができます。家庭裁判所はこどものためを最優先に考え、実施が適切かどうかや調査が必要かなどを検討し実施をうながします。

婚姻中別居時の親子交流

父母が婚姻中にこどもと別居している場合の親子交流は、こどものことを最優先に考えることを前提に、父母の協議で決め、決まらない時は家庭裁判所の審判等で決めることが明確にされました。

父母以外の親族とこどもの交流

こどもと祖父母などとの間に親子のような親しい関係があり、こどものために特に必要があるといった場合は、家庭裁判所はこどもと父母以外の親族との交流を定められるようになります。

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