市登録有形・建造物(7)
青柳稲荷神社本殿
文化財分類種別
市登録有形文化財・建造物
所在地
国立市青柳2-8-32
公開状況
公開(覆屋で覆われています。)
所有者・管理者
青柳稲荷神社講中
登録日
平成14年4月1日
概要
青柳は、その昔、現在の府中市本宿の多摩川南岸の青柳島にありました。寛文11(1671)年多摩川の大洪水により青柳島は流失し、一時四ツ谷村に避難した後、現在地に移住し、青柳村を開拓しました。
青柳稲荷神社は、青柳・石田の鎮守です。祭神として稲蒼魂命・大巳貴命・大田命・大穴姫命・保養命の五神を合祀していることから五社稲荷と呼ばれました。
本殿は一間社流れ造のこけら葺きで、建築年代は宝暦5(1755)年です。
この建造物は、江戸時代における村の鎮守としての形態をよく保存していること、また谷保天満宮の本殿・拝殿の細部様式に類似性が認められ、同一の大工による建築の可能性があることなど、重要な遺構であると言えます。
(注)拝殿は基礎の老朽化等を理由に新築されたため、平成24年9月24日に登録を解除しました。
滝乃川学園礼拝堂

文化財分類種別
市登録有形文化財・建造物
所在地
国立市矢川3-16-1 滝乃川学園
公開状況
原則として関係者以外立ち入ることはできません。
所有者・管理者
滝乃川学園
登録日
平成15年4月1日
概要
滝乃川学園礼拝堂は、昭和3(1928)年に学園が西巣鴨町から谷保村に移転した際、本館建物とともに建設されたものであり、日本における最古の知的しょうがいしゃ施設の主要な建物の一つとして貴重な文化財です。
RC造(鉄筋コンクリート造)、スレート葺き、ロマネスク風の簡素な礼拝堂であり、都内でも最も古い時期に属するRC造りの建物の一つです。
内部は漆喰塗仕上げ壁に木造の叉首組・繋ぎ梁付の小屋組、化粧屋根裏天井が露顕し、教会建築の原点を想起させる簡素な空間となっています。
谷保天満宮末社厳島神社附棟札

文化財分類種別
市登録有形文化財・建造物
所在地
国立市谷保5209 谷保天満宮
公開状況
公開
所有者・管理者
谷保天満宮
登録日
平成17年4月1日
平成21年4月1日追加登録及び名称変更
概要
谷保天満宮末社厳島神社本殿は、元は石神にあったものを、明治期に現在の地に移したものです。
建築年代は、本殿脇にある石燈籠建立年代の宝暦9(1759)年頃と推定され、建造物の細部意匠に天満宮本殿との共通性があることから、同じ大工により作られた可能性が高いとされています。
一間社、流れ造、鉄板葺きの小規模な建物ですが、木鼻、虹梁、組物、中備、妻飾、彫刻など本格的な本殿形式をもち、加工精度もかなり高いと言えます。また谷保天満宮本殿縁束と同様に、条溝が見られますが、特に身舎柱にも16本の条溝がつけられているのはきわめて珍しく、特色的です。
建築時に書かれた棟札は現存せず、文政11(1828)年の再築時に書かれた棟札が1枚残るのみです。
棟札(文政十一戊子天八月吉祥日の記のあるもの)

棟札(表)

棟札(裏)
材質:檜
寸法:総高60.0センチメートル、肩高54.5センチメートル、上幅11.6センチメートル、下幅9.4センチメートル、厚さ1.0 センチメートル
釘穴1箇所あり
墨書銘(表)
「 聖主天中天 迦陵頻伽聲 文政十一戊子天八月吉祥日
梵字 奉再造立弁天宮一宇社頭繁栄氏子安全如意満足祈所 留守居
哀愍衆生者 我等今敬礼 梅香山松寿西院安楽寺堅者法印貫超 」
墨書銘(裏)
「 一切日皆善 一切宿皆賢 諸仏皆威徳
羅漢皆行満 以新誠実言 願我成吉祥
大工 佐伯源右衛門 杉田太左衛門 鈴木友吉 遠藤良助 」
谷保天満宮神楽殿 附棟札

文化財分類種別
市登録有形文化財・建造物
所在地
国立市谷保5209 谷保天満宮
公開状況
公開
所有者・管理者
谷保天満宮
登録日
平成22年4月1日
概要
本神楽殿は、菅公千年式年大祭を記念して、大鳥居と大灯籠等と共に明治35(1902)年に建造されました。それ以前の神楽殿は、拝殿に向かって右手に建っており、附の棟札はこの旧神楽殿のものです。
神楽殿は拝殿と対面した位置に建てられたもので、桁行4間、梁行3間、前方に擬宝殊匂欄をめぐらした平屋建てです。
棟札(文化十三年丙子八月十有二日の記のあるもの)

棟札(表)

棟札(裏)
材質:檜
寸法:総高64.8センチメートル、肩高63.3センチメートル、上幅13.1センチメートル、下幅11.2センチメートル、厚さ0.6センチメートル
仕上げ:台鉋仕上げ、釘なし(釘穴なし)
墨書銘(表)
「 聖主天中天 一天泰平 四海静謐 梅香山安楽寺
迦陵頻伽聲
卍 奉上棟供養梅香山天満宮神楽殿一宇
哀愍衆生者
我等今敬礼 風雨順時 五穀成就 松寿西院 」
墨書銘(裏)
「 武州多摩郡谷保村
世話人 高柳弥平治 北嶋辰右衛門
于時文化十三年丙子八月十有二日
菅聖廟社内
大工 四谷村 市川五良右衛門 上谷保村 杉田金蔵 」
旧日本興業銀行クラブハウス
文化財分類種別
市登録有形文化財・建造物
所在地
国立市西
公開状況
非公開(個人の所有のため)
所有者・管理者
個人
登録日
平成24年4月1日
概要
本建造物は、国立開発頃の建造。応接の空間を持った和洋折衷の建造物で、当時の典型的な建築です。建設当初は日本興業銀行がクラブハウスとして利用していました。
木造・2階建て・スレート瓦葺き・モルタル下地漆喰壁。南面する正面2階開口部の半円アーチ窓が特徴的です。緑色の瓦は入居当初のまま。外壁のスタッコ(砂漆喰)は適宜補修が加えられていますが、往時の雰囲気を残しています。
内部では1階の一部に天井の布クロス、階段や壁に建設当初のクロスが残ります。
国立開発時の建造物として市内に現存するものはごくわずかであり、建築物そのものだけでなく、歴史的背景を踏まえた意味でも非常に貴重な資料です。
滝乃川学園鐘楼 附鐘
文化財分類種別
市登録有形文化財・建造物
所在地
国立市矢川3-16-1 滝乃川学園
公開状況
原則として関係者以外立ち入ることはできません。
所有者・管理者
滝乃川学園
登録日
平成27年4月1日
概要
昭和4(1929)年11月3日に完成した鐘楼です。本館と聖三一礼拝堂と共に、滝乃川学園草創期からの建造物です(老朽化のため修理されています)。方一間、二重の宝形造りという構造をしています。
鐘は青銅製で、口径36.5センチメートル・高さ30.0センチメートル、十字と「贈 日本聖公会東京教区 1954年12月25日」の銘が刻まれています。
学園では今も礼拝の10分前に必ず鐘が鳴らされています。同じく谷保にある南養寺の鐘と共に、地域の時を刻む鐘として親しまれています。
旧野島家住宅(現ル・ヴァン・ド・ヴェール)


昭和4年の外観(写真は個人蔵)
文化財分類種別
市登録有形文化財・建造物
所在地
国立市中1-16-35
公開状況
公開
所有者・管理者
個人(ル・ヴァン・ド・ヴェール)
登録日
平成30年4月1日
概要
旧野島家住宅は、昭和2(1927)年頃、元海軍大佐野島新之丞・喜美夫妻が国立駅近くに建てた住宅です。建てられた当時は、煙突やバルコニー等を備えたモダンな印象を与える洋館で、開発初期の国立大学町を象徴する先進的近代洋風住宅のひとつでした。
また、個人住宅にとどまらず、昭和6(1931)年頃からは国立のキリスト教関係者の集会所、昭和13(1938)年頃には国立町会の事務所が置かれ、地域の拠点施設になっていました。
昭和56(1981)年には外観をほぼ保ったまま再生され、現在はレストラン「ル・ヴァン・ド・ヴェール(緑の風)」として親しまれています。
国立の開発史を伝える貴重な建造物であり、国立の人々に長く親しまれてきた地域の文化財です。
この記事に関するお問い合わせ先
教育委員会 教育部 生涯学習課 社会教育・文化芸術係
住所:186-8501 国立市富士見台2-47-1 国立市役所 3階(45番窓口)
市役所のご案内
電話:042-576-2111(内線:323)
ファクス:042-576-3277
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更新日:2023年06月30日