くにたち原爆・東京大空襲体験伝承者講話
市内在住の広島原爆・長崎原爆及び東京大空襲の体験者の体験や平和への思いを語り継ぎ、それを次世代に継承していくことを目的として市から委嘱を受けた「くにたち原爆・東京大空襲体験伝承者」が、市内外で広く講話活動を行っています。
伝承者
22名
<内訳>
・広島原爆伝承者12名
・長崎原爆伝承者7名
・東京大空襲伝承者10名
(注)一人で複数の講話を担当する伝承者7名を含む。
講話内容
(1)広島原爆・長崎原爆・東京大空襲の被災の実相(状況や事実など)
(2)体験者の体験や平和への思い
(3)伝承者として、語り継ぐ思い
(注)1回の講話は35分
講話活動
(1)市内の公共施設で定期的に実施する「定期講話」
(2)市内の小中学校で行う「学校講話」
(3)団体や企業、市外の学校などから依頼を受け、市が伝承者を派遣する「派遣講話」
1930年(昭和5年)生まれ、長崎県出身。長崎県立長崎中学校3年生のとき、勤労動員の作業中に長崎駅近くの中町教会横で被爆。様々な偶然が重なり一命を取り留め、爆心地である浦上地区を経て、市内から20キロメートル以上離れた自宅にたどり着く。国立原爆被爆者の会「くにたち桜会」会長として活動。2017年(平成29年)8月逝去。
1930年(昭和5年)生まれ。東京都出身。もともと東京麻布にお住まいでしたが、東京大空襲を経て、お父様が転勤していた広島へ、お母様、二人の弟さん、妹さんとともに転居。広島高師付属中学3年生のとき、広島北部の可部(かべ)で勤労動員の作業中に被爆。地獄図の広島市内に戻り、焼け野原の中、自宅跡にたどり着きましたが、お母様と4歳の弟さんが消息不明となっていました。国立原爆被爆者の会「くにたち桜会」にて副会長。桂氏亡き後は会長として活動。2019年(平成31年)1月逝去。
(注)桂 茂之氏、平田 忠道氏の講演録は、2014年(平成26年)8月9日(土曜日)に国立市公民館で開催した「戦争体験を聞くつどい 原爆の日を語り継ぐ」で、両氏に原爆体験と平和への願いを語っていただいたものです。
東京大空襲の体験者:二瓶治代(にへい はるよ)氏
1936年(昭和11年)生まれ、東京都出身。8歳のとき亀戸で東京大空襲に遭い、家族とはぐれて炎の中を逃げまどい、折り重なる死体の下で一命を取り留めました。奇跡的に家族全員と再会しましたが、前日まで遊んでいた多くの友人が亡くなりました。現在、江東区北砂の東京大空襲・戦災資料センターで多くの方にその体験を語り続けています。
(注)二瓶治代氏の体験文は、書籍「あのとき子どもだった-東京大空襲 21人の記録」に掲載されたものです。
YouTubeで二瓶治代氏の講話動画を公開しています
動画共有サイト「YouTube」の「国立市チャンネル」ページから閲覧することができます。
東京大空襲体験講話動画
インタビュー動画
伝承者育成プロジェクトについて
国立市は、2015年(平成27年)1月に「くにたち原爆体験伝承者育成プロジェクト(現:くにたち原爆・東京大空襲体験伝承者育成プロジェクト)」を発足し、広島原爆・長崎原爆の各伝承者(第1期生)、広島原爆・長崎原爆・東京大空襲の各伝承者(第2期生)、そして第1期生、第2期生の中から希望した7名を対象に東京大空襲の伝承者(第3期生)を育成しました。
現在、30代から80代までの22名の伝承者が市からの委嘱を受けて講話活動をしています。
- プロジェクトの目的
国立市内在住の原爆・東京大空襲体験者の体験、平和への思いなどを受け継ぎ、幅広く伝える伝承者を育成します。 - 継承された語りの目指す形
体験者から聞き取った体験談、人生、さまざまな思いについて、「事実を曲げない」、「捏造しない」ことを原則とします。一方で、コピーとしての語りではなく、「事実」と「思い」をそれぞれの感性で咀嚼し、それぞれの言葉と表現で新たな語りを構築します。 - なぜ“人”が“生の言葉”で伝承しなければならないのか
戦争の悲劇を二度と繰り返さないための心髄は語り継ぐ力です。映像や文字による継承ももちろん有用ですが、語り手が魂を込めて語る言葉を、聞き手が魂で受け取り、またそれを次々に魂へと伝えていく、そうした生の言葉による魂の伝承が、平和を守る大きな力となるのではないでしょうか。 - 伝承者としての活動
研修修了者を「くにたち原爆・東京大空襲体験伝承者」と認定し、市内学校や市の公共施設等での講話活動を委嘱します。
伝承者育成プロジェクトの研修内容等
- 「聞き取り」を中心に
「戦前・戦時下の暮らし」、「被爆・被災時の状況」、「原爆の諸影響」、「平和への思い」等について、詳細な聞き取りを実施します。 - 実相学習
配布資料及び参考文献をもとに、自主学習を基本とします。 - 話法技術・朗読技術の基礎講座
呼吸法、発声法など、話法技術の基礎を学ぶとともに、語りに朗読を取り入れる場合などに役立つよう、基本的な朗読技術を学びます。 - 語りの演習
受講生それぞれが構築した語り(約35分程度)を講師、他の受講生の前で実践練習を行い、助言を受けます。 - 被爆地・被災地訪問(希望者のみ)
伝承者としての意識を高め、原爆・東京大空襲に関する様々な理解を深めるために、被爆地・被災地の平和関連施設を訪問します。(交通費・宿泊費等は受講生負担)
◆第1期
研修期間:2015年(平成27年)1月から2016年(平成28年)3月
委嘱日:2016年(平成28年)3月26日
委嘱人数:19名
◆第2期
研修期間:2017年(平成29年)1月から2018年(平成30年)3月
委嘱日:2018年(平成30年)3月31日
委嘱人数:14名
◆第3期
研修期間:2022年(令和4年)4月から同年10月
委嘱日:2022年(令和4年)10月1日
委嘱人数:7名
この記事に関するお問い合わせ先
政策経営部 市長室 平和・人権・ダイバーシティ推進係
住所:186-8501 国立市富士見台2-47-1 国立市役所 2階(31番窓口)
市役所のご案内
電話:042-576-2111(内線:229、256)
ファクス:042-576-0264
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更新日:2024年04月18日