〈近現代詩講座 いま、戦後詩を見つめる〉「死にいたる飢餓、その先へ」ー黒田喜夫生誕百年
公民館では近年、様々な詩人を取り上げ、その生涯や作品に触れ、詩をとおして現代社会を見つめる講座を開催しています。
今回は『死にいたる飢餓』、『詩と反詩』などの著書があり、今年生誕百年を迎える詩人・黒田喜夫(1926-1984)を取り上げます。
〈講師からのメッセージ〉
世界は、いつから私たちの外側にあるものになったのでしょうか。世界は絶えず私たちのもとへ届いています。しかし、その出来事はいつしか「私とは別の出来事」として通り過ぎてはいないでしょうか。他者の死は数字となり、映像となり、やがて記憶の彼方へ遠ざかってゆきます。それでもなお、人は他者とともに生きることができるのか。言葉は、世界との失われたつながりを回復することができるのか。その問いは、いま、私たち一人ひとりに向けられています。
黒田喜夫が生涯をかけて見つめたのも、この問いでした。死者、飢餓、他者、そして誕生──それらは歴史の中の出来事であるだけではなく、人が世界の痛みを自らのものとして引き受けるとはどういうことか、その根源を問い続ける出来事でもありました。だから彼の詩は、時代の思想や政治に回収されることなく、読む者一人ひとりの生へと深く届いてきます。
『死にいたる飢餓』は、終わりを語る書であると同時に、始まりを問い続ける書でもあります。極限の場所からなお、人間は何を語り、いかに他者とともに生きうるのか。その問いは半世紀を経た今日も、少しも古びてはいません。生誕百年を迎えるいま、黒田喜夫を過去の詩人としてではなく、私たちの同時代人として読み直したいと思います。
死にいたる飢餓、その先へ──。
死者の声が、なお私たちの生を問い続けるかぎり、黒田喜夫の詩もまた終わることはありません。百年後のいま、その言葉に耳を澄ませることは、世界をもう一度、私たち自身のものとして受けとめ直すことでもあるでしょう。ともに、その時間を過ごすことができれば幸いです。
第1部 「黒田喜夫の遺したもの」長谷川 宏(哲学者)
第2部 「黒田喜夫の詩の魅力」河津 聖恵(きよえ)(詩人・評論家)
第3部 「黒田喜夫とワタシ」石毛 拓郎(詩人)
第4部 鼎談(講師一同)・質疑応答 司会 水島 英己(ひでみ)(詩人)
| とき | 10月18日(日曜日)午後1時から4時半 |
|---|---|
| ところ | 公民館 地下ホール |
| 定員 | 80名(申込先着順) |
| 申込先 | 9月17日(木曜日)午前9時から 電話か申込フォームより |
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更新日:2026年09月03日