大学通り公共空間地区
都市景観形成条例に基づき「大学通り公共空間地区」は重点地区に指定されています。
大学通りのもつ美しい景観を未来へ継承するため、国立駅南口ロータリーから江戸街道までの車道、歩道及び緑地帯の大学通りは、都市景観形成条例に基づく重点地区の指定に向けて平成12年に「大学通り(A地区)景観形成協議会」を設立しました。協議会は、公募により選ばれた方、沿道の方、一橋大学や車道の管理者等11名により構成され、アンケート調査や協議を重ね、重点地区景観形成計画の案を検討し、平成16年8月に市へ提出しました。市はこれを受け、都市景観形成条例に基づき、平成16年9月に縦覧を行い、10月に国立市都市景観審議会の意見を聴き、12月15日に重点地区の指定を行いました。
重点地区景観形成計画は、方針と基準さらには大学通りの景観を守り、育て、つくることのしくみとしての景観マネージメントから構成されています。
重点地区指定に伴い、当該地区において新たに工作物の設置等を行う場合は、都市景観形成条例に基づき、市へ届出が必要となります。

重点地区の区域図
重点地区景観形成計画
目的
国立を代表する見事な高木が並ぶ緑豊かな緑地帯を持つ空の広い大学通りは、国立市民をはじめ、そこを訪れる多くの人々に安らぎを与えてくれる場所です。
市民一人ひとりが事業者や行政と一体となって、大学通りの並木や植栽を維持・保全し、緑と調和した、優れた街並みを創出することにより、緑豊かで国立らしい魅力にあふれる大学通りの景観を、守り、育て、つくりながら次世代に引き継いでいくことを目指します。
大学通り公共空間地区景観形成のリーフレット (PDFファイル: 6.0MB)
(1)重点地区景観形成方針
- 豊かな緑の保全と育成
・大学通りの高木や緑地帯を保全します。特に高木が与える力強い眺望、銀杏や桜のもたらす季節感、歩道にかかる樹木のトンネルと街路灯が作り出す幻想的ともいえる夜景など、大学通りの持つ豊かな景観形成を維持します。
・市民の共有財産である並木や樹木を、市民、事業者及び行政が協働して育てることによって、より一層緑豊かで落ち着いた景観を創造します。 - 快適に散策できる歩行者空間の形成
・歩道上の自転車走行や駐輪を避け、高齢者や車椅子を含む全ての歩行者が、安全に、そして緑を満喫しながら快適に散策することができる歩行者空間を確保します。
・街路灯、ベンチ、案内表示板など道路におかれる種々のデザインを大学通りの景観と調和させます。 - 通行車両の適切な誘導
・歩行者が景観を楽しみながら安全に歩けるように、また、自転車、自動車が乱雑に駐車し景観を阻害しないように、駐車、駐輪の適切な誘導を図るとともに、自転車走行ルールを定着させます。
調和
本計画では、「調和」について、以下の3つの視点からとらえます。

ユニバーサルデザインとは、道具や空間などデザインする際は、障害者のための特別なデザインを考案するのではなく、健常者も含めた全ての人にとって使いやすいデザインを考えること。
(2)重点地区景観形成基準
基本方針を具現化する6の基準
- 緑地帯に関する基準
- ストリートファニチャーに関する基準
- 広告物に関する基準
- 建築物及び工作物に関する基準
- 夜景及び音に関する基準
- 交通に関する基準
1.緑地帯に関する基準
- 緑と市民の共存共生を基本とします。
- 緑地帯は、大学通りのシンボル的存在であり、これまで守られてきた伝統を継承し、保全並びにより一層の緑化に努めます。
- 既存樹木の保全・育成を行い、緑豊かな景観を維持します。そのために、図面に示す全てのゾーンの緑地帯は、ポケットパークなどにより整備された場所を除き、市民が自然と触れ合う機会を保ちながらも、樹木の保護のため、原則として立入りを禁止します。また、緑地帯に一定の目的で立ち入る場合は、申請による市の許可により認めます。
- 沿道の車庫や駐車場への出入口のための切り開きは、原則として行いません。
2.ストリートファニチャー(下記参照)に関する基準
- ストリートファニチャーは、大学通りの景観に調和するよう、位置、規模、色彩、デザイン、素材、形状を工夫します。
- 市民の憩いの場や個性あふれる街並みを演出します。
・商業ゾーンは、賑わいやショッピングの楽しさを演出します。
・大学ゾーンは、落ち着いた雰囲気の公園を演出します。
・住宅ゾーンは、やすらぎやうるおいを演出します。 - 全ての歩行者にとって便利でかつ安全性が高いものとします。
ストリートファニチャー:ベンチ、プランター、彫刻等を示します。
3.広告物に関する基準
- 緑地帯に設置する広告物は、大学通りの景観と調和するよう、位置、色彩、デザイン、素材、形状、規模等を工夫します。
- できる限り統一したデザインと色彩を取り入れ、初めて訪れる人にとってもわかりやすいよう工夫します。
- 公共性が高いもの以外は、原則として設置しません。
4.建築物及び工作物に関する基準
- 建築物、構築物は行政が設置するものに限られると思いますので、全ての人が、開放的な景観を楽しみながら安全かつ快適に通行できるように、これらを阻害する建築物及び工作物の設置は避けます。
- 建築物及び工作物は、並木や街並みの景観に調和するよう位置、色彩、デザイン、素材、形状を工夫し、分電盤などは目立たないよう樹木で覆うなど配慮します。
- 大学通りの景観は、沿道の街並みと一体であることから、本地区内の建築物等は、商業・業務地区や学園・住宅地区の重点地区景観形成計画と調和を図ります。
- 公共性が高いもの以外は、原則として設置しません。
5.夜景及び音に関する基準
- 夜の安全と賑わい(商業ゾーン)や、やすらぎ(大学ゾーン・住宅ゾーン)を演出する照明やサイン等の広告物については、景観に配慮し、雑然とならないように工夫します。
- 商業ゾーンでは、BGMなどの放送を行う場合は、歩行者や住居者に配慮した演出を行います。
6.交通に関する基準
- 自動車、バイクの違法駐車、自転車の違法駐輪及び露店、立て看板(ステ看板)、商店のワゴンなどについては、通行上の支障となるため適切な誘導を図ります。
- 自動車、バイク及び自転車の利用者は、景観の形成に支障とならないよう一人ひとりがマナーを守り、美しいまちづくりを目指します。
(3)「景観マネージメント」について
本計画では、重点地区景観形成基準に基づいて市民、事業者及び行政が大学通りの景観を守り、育て、つくるかについての具体的な施策を決定するために、継続的に議論を行うことができるしくみを設定します。
これまで、大学通りの景観は、市民の共有の財産として市民の愛着やそれを大切にしようとする強い思いによって守り続けられてきました。またこれからも、市民の思いを大切にしながら、文教都市にふさわしい緑豊かな緑地帯を持つ空の広い大学通りを守り続けていくことが不可欠です。
国立には、市民の議論によって景観を守り、育ててきたという誇るべき歴史があります。大学通りの景観は、市民の様々な考え方や視点にもとづく数多くの議論を行うことによって、より良い景観の創造を目指してきました。本計画が求める景観についても、多様な人々の考えや価値観の合意によって創られるべきものであると考えます。それが、「調和」の考え方にも表れています。
したがって、引続き市民に愛される景観づくりを推進するために、工作物等の具体的な色や形の決定や今後、新たに生じる問題解決にあたっては、市民、事業者および行政が、その時々の状況にふさわしい合意形成の場を設ける必要があると考えます。
本計画では、そのためのしくみを「景観マネージメント」と名づけ、その中で、国立にとってどのような景観がふさわしいかを、市民、事業者及び行政が一体となって議論し決定できる常設機関を設置すべきです。
「景観マネージメント」が担うべき主な機能は、以下の3つとします。
- 建築物、工作物等の設置について
計画施設が、既存の景観と「調和」するかどうかを評価し、より良好な景観形成に向けた助言を行います。 - 良好な景観の維持について
樹木など、良好な景観形成の要素となっている物を維持する上で必要となる助言を行います。 - 景観形成にかかる問題の解決について
今後、新たに生じる問題に対して解決策案を検討し、市民、事業者及び行政に助言及び提言を行います。
重点地区の区域を示す図面

重点地区の届出基準(規則第8条)
この記事に関するお問い合わせ先
都市整備部 都市計画課 指導係
住所:186-8501 国立市富士見台2-47-1 国立市役所 3階(50番窓口)
市役所のご案内
電話:042-576-2111(内線:362)
ファクス:042-576-0264
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更新日:2023年06月30日